マイトレイ/軽蔑 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-3)

  • 河出書房新社 (2009年5月8日発売)
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感想 : 24
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シナリオ・ライター=脚本家って、前々から縁の下の力持ちだなぁ。
映画って、結局、監督のものだし、ハリウッドでは、プロデューサーの力って大よなって前々から思っていたのですが、
この『軽蔑』に思わず、その恵まれない仕事をする男主人公の恨み辛みが、詳細に記されていた。

<ストーリー>
主人公は、妻がてっきり望んでると思い、自分の戯曲作家への夢を断念し、シナリオライターの仕事を引き受け、高級アパルトメントを購入する。
が、その妻には、無理にプロデューサーと付き合わせたのが悪かったのか、ある日、ベットを別にしようと言い出し、セックスもおざなりになる。
主人公は、金のための渋々の仕事、妻の突然の豹変と、惨めな気分に襲われる・・・。

有名な作家では、『薔薇の名前』のエーコと並んで、超がつく一流の学者でもあるエリアーデの若き日の異国での実際の恋愛を題材とした「マイトレイ」と言い、お買い得です。

文学(literature)http://literature.ki-blog.biz/より。

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2012年9月4日
本棚登録日 : 2012年9月4日

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