トラベリング・パンツ (角川文庫)

  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年6月23日発売)
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感想 : 3
4

ほっそりした子が穿いても、ぽっちゃり型の子が穿いても不思議にぴったりで、チャーミングに見せてくれる魔法のジーンズ。幼なじみでいつも一緒に過ごしてきた四人の女子高生たちが、それを順番に送り合ってかわるがわる穿きながら、生まれて初めて別れ別れになり、それぞれの夏を過ごす物語。
四人の女の子たちの個性の書き分けがほんとうによく出来ていて、こういう子、いるよなあととても身近に感じられる。
ティビーという子が仲よくなる、白血病にかかっているベイリーという十二歳の女の子が「あたしが怖いのは時間だな。時間がないのが怖いの」という場面には、思わず胸が詰まった。
それと、ギリシャの祖父母の家を訪れたレーナという子が、その土地で知り合い、ふとしたことから誤解し合ってしまった青年とラストで誤解を解き、青年の働く鍛冶場の火のそばでキスをしながら「天国って、こんなに熱いところだったのね」と考える場面は、微笑ましくて、思わずクスッと笑えた。
四人は夏の終わりには、みな一回り成長し、強く、美しくなって再会を喜び合う。恋をした子も、男の子と誤解を重ねた子も、離婚した親と仲直りした子も、親友を亡くした子も、一生に一度しかないティーンエイジのひとときを、ひときわ美しく輝きながら過ごした夏だった。
ひとつ欠点を挙げるなら、肝心の魔法のジーンズの登場場面が少ないこと。もっと描写が欲しかった。なので星マイナス一つ。
続篇もあるそうなので読んでみたいけど、ストーリーが二番煎じになっていないことを望みたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ヤングアダルト
感想投稿日 : 2011年6月25日
読了日 : 2011年6月25日
本棚登録日 : 2011年6月25日

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