新世界より(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2011年1月14日発売)
4.24
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本棚登録 : 12524
感想 : 1052
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文庫本、上、中、下、全て読み終えてからの感想です。

読む前は、めっちゃんこ期待してました。「上・中・下、全3巻の超大作。こりゃもう、貴志祐介の最高傑作これで間違いないっしょ。くうう、超楽しみ!」って。

でも、読み終えた感想は。すまん。誠にすまん。すみません。正直言って、全然、あかんかった、、、全然、楽しめなんだ、、、そこそこ面白かったけど、トータルでは、それほどではない。というレベルでは全然ない。残念ながら、ホンマに、全然、面白くなかった。というレベル。無茶苦茶文句言ってごめんなさい。でも、前期待が高すぎた分、ちょっと、裏切られた気持ちになっちゃった、、、もう、ホンマすんません貴志さん。あくまでも自分個人の勝手な意見なんで、すみません。全然あかんかった、、、肌に合わんかった、、、すみません。ごめんなさい。

もう遥か昔になりますが、「黒い家」「天使の囀り」「クリムゾンの迷宮」あたりを、リアルタイムで読んでいた時は、めちゃんこ大好きだったんですよ、貴志祐介。「なんつー面白い小説を書く人なんだ。凄い。こら凄い」って。

でも、ちょっと貴志さんから遠ざかってて、久しぶりに「悪の経典」を読んだ時に、「うーむ。そら、おもろいけんども、なんかこう、ちょっと、そこまで期待したほどではなかった、、、すまん」と思っていた自分がいたのですが、いやまさか。

この「新世界より」が、ここまで自分的に全然グッとこない作品だったとは。なんだろうなあ、好みって。何でこの作品は、自分にとって、あれほど好きだった貴志祐介さんの作品なのに、こんなにグッとこないんだろうなあ。不思議だなあホントに。

なんだろう。めちゃ失礼な言い方なんですが「仏作って魂入れず」とか、「途轍もなく高級・高価な器に盛りつけられた、とんでもなく美味しくないヤバい料理を泣きながら食べる」みたいな感じでした。世界観も凄いし、物語は魅力的な始まり方だし、謎と不穏と不思議な美しさも深遠なテーマも、もう全部ガッツリありそうなイメージだし、もう、ガワはバッチリ!って雰囲気やないですか。でも、、、読み進めれば読み進めるほど、「あかん、、、全然あかん、、、全然、俺ごのみと、ちゃう、、、なんでこうなるねん、、、」って感じでしたね。

ちょっと期待を持ちつつ読んだ上巻。こら、、、ちょっと、、、あかんかも、、、と思いつつ我慢して読んだ中巻。そして、なんとかたどり着いたよこの下巻!も、うーん、すみません。ホンマにもう、ほぼほぼこれっぽっちも、面白い!とは、思えませんでした、、、無念。読み始めたからには、最後まではなんとしても読んでやる、という、ほとんど意地で読み通した感じでしたね。

1000年前だろうが1000年後だろうが、人間は結局はショボいんですよ、っていうことを伝えたかった。そんな小説なのか?って感じですね。ユートピアではないな。ディストピア小説だな。でも、そんならなんで最後、なんだか希望ありそう的な終わり方なんよ、とかね、思いましたね。うーむ、なんだかなあ、薄いなあ、、、薄っぺらいなあ、、、とか思いました。マジすまん。

凄い嫌だったんですけれど、日野光風とか、あんなに言動がアホなキャラにする設定の意味、あったん?って思いましたね。アホキャラですやん、ギャグですやん。あんなの。かっこ悪いやん、あんなキャラ。これ、基本的に、ちゃんと真面目な小説ですよねえ?で、そんな真面目な筈の話の中で、やたらに浮いたあの言動。うーん、なんだかなあ、、、でしたね。で、結局、アホキャラのまま、変な死に方するし。もったいない、って思いましたね。なんなんだろうなあ。人間の愚かさを表現したかったのかなあ。なんだかなあ。

あと、東京の描写とかも、うーん。現実世界の2019年現在のこの現代では、日本の首都としてバッチリ超絶重要な場所の東京が、1000年後の世界では見るも無残に荒れ果ててるんですよ、って事を、言いたかったのか?気色悪い生き物の登場オンパレードも、なんだか、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」のパクリみたいな感じで、なんだかなあ、、、って感じ。

あと、なんであんなにバケネズミ推しなんだ?バケネズミ、という存在を、そもそもこの物語に関わらせた意味は、なんなんだ?1000年後の世界で人類が生きている意味を、バケネズミと、どう関係づけたかったんだろうか。うーむ。分かりませんでした。バケネズミ、という存在そのものが、無しで物語を構築したほうが良かったんでは?とかね、思うんです。なんなんだバケネズミ。
超能力が使用できる人間が1000年後の世界の主流人間で、超能力が使えなかった人間が1000年後の世界ではバケネズミになってた、ってことなのか?どうなんだ。とにかく、読解できませんでした。

その他、とにかく色々と残念すぎた作品でした。これ、絶対に面白い筈!と思って読み始めたのだがなあ、、、こうも合わんとは。すみません貴志さん、文句ばっかり言って。でも、他作品ではね、凄く好きな作品も、あるのです。そこは間違いないので、自分の中では真実そうなので、また次回読む作品には、期待しちゃうんですなあ。楽しみなのですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年6月2日
読了日 : 2019年6月2日
本棚登録日 : 2019年6月2日

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