TUGUMI(つぐみ) (中公文庫 よ 25-1)

著者 :
  • 中央公論新社 (1992年3月1日発売)
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感想 : 1546
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つぐみに惹かれました。
美少女で、病弱で、わがままで、周りの事情など気にしないつぐみ。
普段の生活につぐみみたいな人がいたなら、嫌われたり陰口の標的にされるでしょう。可愛いから調子のっている、とか自己中、だとか。

しかし、つぐみはそれでも人を引き付ける魅力がある。
何ででしょうか。
わがままだけど、自分勝手だけど、突然普通の人なら思いつかないだろう突拍子のない行動をする。
まわりがつぐみに巻き込まれていく。
巻き込まれるけれど、それは嫌ではない。
むしろ、快感になっている。
たまに、そんな人っていますよね。
まわりのことを考えていないようで行動力があって、突然何か思いついたことに付き合わせる人。
でも、その人がキラキラ輝いているからでしょうか、自分もキラキラしたいからでしょうか、なぜか付き合ってしまう。

作中のつぐみも、とてもキラキラと輝いていました。
ろうそくにゴウゴウと勢いよく燃え盛る炎のように。
全身全力で生きてやる!
身体が弱いからか「生」にとても執着していて、「私は全力で生きてやるんだー!!」と大声をあげて叫びそうなつぐみが頭に浮かびます。
つぐみは夏の山のてっぺんでみる星空のようにキラキラしていて、とてもうらやましい。
私もつぐみと一緒に遊んでパワーをもらいたい、つぐみみたいにキラキラと輝きたい、と思ってしまいました。

これから元気がなくなったとき、自分がキラキラとしていないときは作品を読んで、つぐみから生きるパワーをもらいたいと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年5月25日
読了日 : 2012年5月20日
本棚登録日 : 2012年5月19日

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