盛りだくさんで勢いのあるホラーサスペンス。閉塞感のある地方の町で死体が蘇る事件が発生する中、葬儀屋の主人公は、先行きの見えない自分の人生と自分に反発する高校生の妹に疲弊しながら、死体が蘇る謎に深く関わっていくことになる。一方で、親代わりとなっている兄に複雑な思いを抱く妹は、霊が見える力を通して町の異常を調査していくことなる。
凶暴な蘇りと理性的な蘇りの謎、霊の見える少女と少年、町おこしの中に見え隠れする陰謀、都会から帰ってきた旧友、町の英雄たちの伝承、要素は盛りだくさんですが、すれ違う兄と妹の気持ちを軸に話が進んでいき読みやすい。
死体が蘇る異常事態に対して多くの町民が当事者意識がないのが微妙にリアルだ。
細かい粗を言い出すといろいろ不満はあるのですが、読ませるエネルギーのある作品で、序盤の得体の知れない事態が進行していく恐怖感と二方面から謎に迫っていく緊迫感は楽しめました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年3月18日
- 読了日 : 2018年2月14日
- 本棚登録日 : 2018年2月14日
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