平和構築―アフガン、東ティモールの現場から (岩波新書)

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  • 岩波書店 (2009年6月19日発売)
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【平和構築の国連の定義】
紛争後の地域において、国歌の再建を通じ、紛争の再発を防ぎ、平和を定着化させる活動p1 (peacebuilding)
主要地帯: イラク、アフガン、東ティモール、スーダン、シエラレオネ、ブルンジ、ハイチ、コンゴ民主共和国

平和構築は「平和を築きたい」と心から希求する国民と、それを支援する国際社会が連携することで初めて実現される。p22

冷戦のくびきから放たれ、国連が積極的に平和作りに関与できるようになった事態を受け、
当時のブトロス・ガリ国連事務総長は、1992年、国連の今後の役割を論じたリポート「平和への課題」を発表した。このリポートの中で"Post-Conflict Peace-building"は「紛争後の地域において統治機構の再建を支援し、紛争の再発を防ぎ、平和を定着化させる活動」と定義し、国連の主要課題として明確に位置付けられた。p28

「和平調停活動」、学校でも平和維持活動」、「平和構築活動」は相互に連携している。p29

【平和執行(Peace Enforcement)】
まだ武力紛争が終わっていない状況で、国連によって承認された軍隊(主に多国籍軍)が強制的に介入し、紛争を終結させようとする武力行使を指す。
→この「平和執行」活動と、「平和構築」活動の違いを理解することは、国連が果たす役割や、日本が今後果たすべき役割を考える上で、決定的に重要である。p30
平和構築活動は国連事務総長特別代表が指揮する国連ミッションと国連PKO部隊が主役を務めることが多い。つまり指揮権は一元的に国連事務総長と
その特別代表が握っている。一方で平和執行については、国連安保理がその介入を承認するものの、実際の軍事活動は、多国籍軍に委ねられることが圧倒的である。
つまり平和執行は多国籍軍が行い、
その後の平和構築活動は、
国連PKO部隊と国連ミッションが主体となって行うという一つのパターンが、実際の平和構築の活動の中で生まれてきていることは注目されていい。

暫定政府をどうつくるかは、極めて難しい問題で、国連をはじめとする和平仲介者が最も苦心する点である。p38

政治プロセスとして多くの平和構築で行われるのが、
1. 紛争の軍事的な要因を取り除くため、紛争当事者の武装解除、動員解除、元兵士の社会復帰(よくDDR=Disarmament, Demobilization, Reintegrationと呼ばれる)の支援
2. 必要に応じて、新たな憲法の制定
3. 新たな政権を平和的に樹立するための民主的な選挙の実施

【レジティマシー】
人々が社会のルールを、強制ではなく、自主的に受け入れ、従うように誘因する心理的な力があると定義される。p46
軍事力による強制力だけでは、国家の統治は非常に困難である。なぜなら、多数の人々が、新たな政府やそのルールを正統なものと認識し、自主的に従うようにならなければ、いくら軍隊や警察があっても足りないからである。p49

政府開発援助とNGOの有機的連携を
P230

JICAで専門家のプールを- cf. 「平和構築タスクフォース」p234

【総括】
著者の紛争地でのケーススタディを下地に書かれた著作。
実証的に書かれているのでわかりやすい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 政治一般/外交/戦争
感想投稿日 : 2011年9月16日
読了日 : 2011年9月20日
本棚登録日 : 2011年9月16日

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