人間と機械のあいだ 心はどこにあるのか

  • 講談社 (2016年12月6日発売)
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『人間と機械のあいだ』(石黒浩、池上高志共著)。人間と機械の境界はそれほど明瞭ではなく、時間・空間・記憶といった物理的数学的概念の導入、はたまた生命性の定義といった哲学的抽象論もマストで考慮しなければならない。機械人間オルタの開発を通じた思想書。

僕の考えている意識とは、クオリアではなく自己意識である。自己意識とは、自分のことを第三者視点で見ている自分のこと、つまり自分を自分であると認識している意識のことである。3%

意識とは「世界」と「自分」のモデル化である。脳内に作られた仮想世界で自分をシミュレーションしているのだ。「世界」の認識と「自分」の認識、それが同時に脳内で起こっている。4%

人間の機能の技術への置き換えは、人間をモデル化することによる人間理解であると同時に、消去法的な人間理解の方法でもある。技術によって置き換えられる部分には人間の本質がないと考える人は多いだろう。では、人間の身体をどんどん機械に置き換えていったとき、最後に人間のコアのようなものが、果たして残っているだろうか?8%

「アンドロイド演劇」
「心」とは社会的な相互作用に宿る主観的な現象だということになる。12%

人間とは技術を使う動物であり、技術によって進化してきた。その技術が作り出すロボット社会において、人間はその本質に向き合うことになるのである。人間の真の進化とは、人間そのものの本質的理解に到達することなのかもしれない。12%

心は存在か、現象か 18%

ALIFEにおけるLIFEとはなんなのですか?
池上:僕は「理解したいと思ったときに、中を開かないでも(から)理解にたどり着けるようなシステム」と答えています。53%

【生命は主観の問題か?】54%
科学研究としてやるときには、生命に「自己維持・自己複製・自己修復」などの定義を与えます。

想像力が生命の要件なのか?61%

生命は抽象的で数学的な代物であり、見かけではない。電気回路、ロボット、化学反応、コンピュータのプログラム、どこにでも生命が創発する余地があってもいいじゃないか。それが人工生命の研究である。97%

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 生物・科学・環境
感想投稿日 : 2018年6月1日
読了日 : 2018年6月4日
本棚登録日 : 2018年6月1日

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