知的生産術

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レビュー : 37
著者 :
杉浦 亮さん  未設定  読み終わった 

これまで様々な著書を出版されており、企業経営、歴史など幅広い知識を持つ著者が、現状の少子高齢化の打開策として生産性の向上と個人として知的生産術を述べた一冊。
現代の日本における少子高齢化の状況から、工場モデルの社会経済体制からの脱却の必要性、消費税などの捉え方など、鋭い視点や提言が所々に散りばめられており、参考になる点は多いと思います。
新たに大学の学長となられ、今までとは異なる挑戦を始めた著者の言葉は、誰にでも示唆に富んだものになると思っています。


▼人口ピラミッドが正常な姿をしている社会では、「敬老原則」(多数の若者が働き、少数の高齢者を支える)が基軸。
 超高齢社会では、敬老原則の継続は不可能。これからは、解雇の自由化とセットになった定年制の廃止、同一労働・同一賃金への移行など、「年齢フリー原則」をベースとして社会のインフラを組み替えていく必要
・敬老原則の世界では、働いている若者から所得税を集め、住民票で敬老パスを配れば事足りる
・年齢フリー原則の世界になると、全員が社会を支えるわけなので、消費税に切り換える以外の方法はない。経済的に不利な人に給付を集中しようとすれば、マイナンバーを整備するしかない。
 少子高齢化とは、こうしたパラダイムシフトが伴うもの
▼わが国では、「消費税といえば弱者に厳しい仕組みだ」という、紋切り型の意見が出されます。しかし、弱者にやさしいヨーロッパの社会が、すべて消費税を基幹としているという事実が、そういった意見は皮相的に過ぎないことを何よりも雄弁に物語っていると思います。

▼生活の基本を「メシ・風呂・寝る」から、「人・本・旅」に切り換える
▼新しい情報や知識を自分の頭の中に取り込むためには、幅広く学ぶことが必要
 学ぶための方法:たくさんの「人」と出会い、たくさん「本」を読み、たくさん「旅」をして(現場に出て)経験を重ねること

▼「おいしい生活」=「いろいろな知識を身につける」×「自分の頭で考える」
 「おいしい生活」はイコール「教養」もしくは「リテラシー」であり、イコール「イノベーション」でもある

▼知的生産性を上げる5つの視点
①無限大ではなく、「無減代」を考える
②「なぜ」を3回繰り返す
③「枠」や「制約」の中で考える
④「数字、ファクト、ロジック」で考える
⑤考えてもしかたがないことは考えない

▼社会常識に頼っていると、社会の中に芽吹きはじめている小さな変化を見落としてしまう
 社会一般の価値観や、常識や、成功体験や、前例を鵜呑みにしないで、すべてを一度くらいは自分の頭で徹底的に疑って考え抜くことが大切
▼数字:相互に検討可能なデータのこと
 ファクト:データに関連する事項や過去に起こった事実のこと
 ロジック:数字とファクトに基づいて実証的に理論を組み立てること

▼「インパクト(=影響力)=仕事量(アウトプット)×スピード(時間)」

▼世の中のすべての物事は、トレードオフの関係にある。すなわち、何かを選ぶことは、何かを捨てることと同義

▼人生を無駄にするもの
①済んだことに愚痴を言う
②人を羨ましいと思う
③人に褒められたいと思う

▼「得意・不得意」「向き・不向き」といった部下の適性を見抜いて、正しく人材を配置するのがリーダーの役割
・人材配置のポイント
①部下の適性や意欲を把握する
②短所は無視して長所を伸ばす
③全員を管理職に育てる必要はない
④サボる社員がいてもいい

▼アメリカの心理学者マーシャル・ロサダ「ポジティブな感情とネガティブな感情がおよそ3:1以上の比率になっていると、人は意欲的に働く」(理想的な職場では、6:1)

▼『貞観政要』の「三鏡」
①銅の鏡(本当の鏡)
②歴史の鏡
③人の鏡

<目次>
第1章 日本の生産性が低い理由
第2章 新しいアイデアを生み出す「考える技術」
第3章 最小の労力で最大の成果を上げる「インプットとアウトプットの技術」
第4章 チームの力を引き出す「マネジメントの技術」
第5章 明るく楽しい職場をつくる

レビュー投稿日
2019年8月29日
読了日
2019年8月23日
本棚登録日
2019年8月21日
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