変見自在 スーチー女史は善人か (新潮文庫)

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レビュー : 17
著者 :
ryo31103110さん 外交   読み終わった 

高山正之氏のコラム集。
タイトルの「スーチー女史は善人か」は、やや挑発的な印象をもたれる方もいらっしゃると思うが、スーチー女史を揶揄した内容ではない。
高山氏の肩をもつわけではないが、内容的には一方的な価値観に対する批判を込めた比喩である。

例えばアウンサンスーチーの条では、ミャンマーの国情から解説。
ビルマ人の国であったビルマ(現ミャンマー)は、19世紀にイギリスに征服される。イギリスは大量のインド人と華僑を入れて商売をさせる。さらに周辺の山岳民族をキリスト教に改宗させて警察と軍隊を構成。
単一民族国家だったビルマは多民族国家に改造させられたという。そして主権者であったビルマ人は農奴に転落させられた。。。

太平洋戦争後にビルマ人は主権を回復するが、旧支配層だった山岳民族やビルマ人不平分子などが糾合してアウンサンスーチーのもとで政権奪取を狙っているというのが現状らしい。彼らの後ろにはイギリスが旧宗主国として利権を貪ろうと働きかけているという。

この内容について、私がハッと気付かされたのが、次の一文。
「ミャンマーが朝日の書くような暗黒国家なら、スーチーなど二十年ものさばらせはしない」

このように、普段我々がニュースで知る内容とは大きく違う裏側のストーリーを解説してくれる。
ほかにも、ペルーのフジモリ大統領の功績(日本のニュースでは悪評が目立つ)や、外国人記者の悪意に満ちた日本報道の現実についても解説。

ニュースを多面的に見つめたい方にはオススメの一冊です。

レビュー投稿日
2012年8月29日
読了日
2012年8月24日
本棚登録日
2012年8月29日
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