完訳フロイス日本史〈1〉将軍義輝の最期および自由都市堺―織田信長篇(1) (中公文庫)

3.26
  • (5)
  • (3)
  • (15)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 157
レビュー : 10
制作 : 松田 毅一  川崎 桃太 
ryo31103110さん 歴史   読み終わった 

16世紀に日本に渡って来た宣教師のルポルタージュともいうべき一冊。

平戸から山口、そして京へと苦難の道中が綴られている。
当時の日本人にとって、ポルトガル人は非常に奇異(お互い様だが)に映った様子が細かく書かれており、石を投げられたり追いはぎにあったりと、苦労が多い。
当時の一般的な日本人の世界観にヨーロッパというのはない。
それは本書にも記述されているように、シャムから来た南蛮人として認識されていたようだ。
西は天竺、南はシャムが世界の果てであり、北は蝦夷あたりが当時の日本人の世界を観たときの風景である。

フロイスたちは、「ダイウス」を信奉することを説いた。
このダイウスというのが紛らわしく、大日如来と勘違いされたことが明記されている。偶然の一致による不幸としか言いようが無い。

ただ、この「ダイウス」も今の我々からみると違和感を感じる。
フロイスの書簡には、ほとんど「キリスト」の文字が見えない。
ダイウス教と言ってもいいほど、連呼している。
当時のキリスト教(イエズス会)は、ダイウスに関する教義のみを唱えていたのだろうか?


また、フロイスが畿内に滞在中、奈良の大仏が焼ける事件が起きる。
これは三好三人集と松永久秀との争いによる兵火といわれていたのであるが、本書によると、勇敢なる(?)キリスト教徒が兵の中にまじっていて、偶像崇拝を嫌いこれを焼いたという。

日本側の記述と大きく異なるあたりが、興味深い点ではある。

将軍義輝暗殺、大仏炎上を当時のルポルタージュとして読めるのは、本書だけであろう。
この時代が好きな方にはお勧めしたい一冊です。

レビュー投稿日
2013年5月9日
読了日
2013年3月14日
本棚登録日
2013年5月9日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『完訳フロイス日本史〈1〉将軍義輝の最期お...』のレビューをもっとみる

『完訳フロイス日本史〈1〉将軍義輝の最期および自由都市堺―織田信長篇(1) (中公文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ルイス・フロイスの作品一覧

ルイス・フロイスの作品ランキング・新刊情報

ツイートする