黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い

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  • 集英社 (2017年11月24日発売)
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「しかし、一方で「どんな情報にも意味がある」という考え方があってもいいのではないか。それは「どんな人生にも意味がある」ということと似ていると私は思う」(p.112)

笑いとドラマ溢れる傑作。そして政治とは何か、多様性とは何かを考えさせられる。想田和弘『選挙』では、選挙は社会性がなにより求められる息苦しい場のように見えたが、想像よりも身近な場所だったのだとも。みんながみんな街頭演説をするわけではないのだ⋯。そしてどんな候補であろうとも誰からも票が入らず終わることはないという。ニッチな場所で生きる人間にエールを送る一冊でもある。

「たしかに聴衆もそれなりにうなずく説得力だ。しかし、聴衆が「この人はひょっとするとすごい人なのかもしれない」と思いかけたところで1曲踊ってしまう。なぜなのか。もったいないとは思わないのか」(p.103)

「『なんでバカみたいなことをするの』と言われましたが『お父さんはこの世に生を受けて二度と生を受けることができない。ご飯の次に政治的なことが好きだから』と言いました」(p.181)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年10月14日
読了日 : 2018年10月14日
本棚登録日 : 2018年10月14日

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