しぶい。かっこいい。清濁併せ呑む大人の男の生き様よ。極道にも好かれる気質と手腕が描かれる。視点が部下の日岡で統一されているのも読みやすい。殺伐とした物語の癒しスポットがすべてを理解する女将の居酒屋というのも定石ながらに安心感がある。なによりも、各章の冒頭にある黒塗りの日誌が小説的なテクニックとして効果的であった。
非業な展開を見せる物語だが、その先には希望があった。どんどん読ませる著者の手腕もこれまた見事だった。監察官との対決の部分だけがしっくりこなかったけれど、十分に楽しませてくれる傑作でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年9月29日
- 読了日 : 2023年9月29日
- 本棚登録日 : 2023年9月29日
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