のめりこんでしまった。独特の言い回しを多用した一人称の文章もさることながら、あまりにもダークなその世界観に。あくまでも健全に生きている人にはおそらく理解すらできない世界観なのかもしれない。でも、ある種の人にはこれ以上ない共感を持って迎えられるだろう。そして、僕もその一人であったということだ。
僕の中にはRはいなかったし、多神もいなかった。でも、だから健全なのかと問われると自信をもって返答することはできない。この小説で描かれる事件が迷宮であり、と同時に自分の内部こそが迷宮なのだ。
ところどころに、はっとさせられる描写が満載。又吉が推薦していた作家だということは知っていたが、初めて読んでみてなるほど、と思った。他のもぜひ読んでみよう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
夜の海
- 感想投稿日 : 2013年7月21日
- 読了日 : 2013年7月21日
- 本棚登録日 : 2013年7月21日
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