それぞれ思惑を持った怪しい人物たちが、好き勝手に行動するため事件の構図が捉えづらくなっているあたり、ディヴァインの巧さが伺えます。
話の展開が遅く、焦れったい感はあるものの、それが事件をよりいっそう捉え処のないものにしています。
ディヴァインは探偵を使わないため、主人公にその任を負わせることが多いのですが、本書は被害者の伝記を書くということでその辺りの違和感が解消されているのも流石。
真相は作者お得意の意外な犯人というよりは、犯人が犯人足り得た理由が光るもので、まさに府に落ちるといった感じです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年6月23日
- 読了日 : 2015年6月10日
- 本棚登録日 : 2015年6月10日
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