流人道中記(上) (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社 (2020年3月6日発売)
3.91
  • (70)
  • (125)
  • (69)
  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 931
感想 : 82

<銭>

僕の知るかぎり時代劇の成人主人公一人称の自称に「僕」が使われたのは今作で初めてお目にかかった。なに件の主人公はまだ19歳だから成人じゃないだろう,って。いやいや男子15歳過ぎれば元服し成人でござるよ。ましてやこの「僕」はちゃんとした嫁も居るのだから。

一見武士人情道中物語の様に読めるが実は途中までは銭金の事のみを話題にした物語。すべての事柄は銭金にのみまつわる。そしてそこそこ面白い。がしかし途中から突然別の事情を持った侍が登場して物語はそちらの方向へ急坂を転がって行く。さてさて面白い。果たして下巻はいかなる展開をみせてくれるのだろうか。興味津々なり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年7月10日
読了日 : 2020年7月9日
本棚登録日 : 2020年7月4日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする