ユニクロ

著者 :
  • 日経BP (2024年4月4日発売)
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感想 : 30

<辛>

宇部はもともと海底炭鉱があった町なんだ。それは多分当時の宇部興産が経営していた炭鉱なのだろうなぁ。今はさびれたその町のシャッター通り商店街がお話のポイントとキャッチフレーズになっているが,僕にはどうもその事はピンとこない。
そんな環境でさびれてしまった町のシャッター通り商店街の店主なんてそこら中にいるじゃないか。ユニクロの柳井はんがそうだったとして そこになにかトピックスなり特異性がキチンとあるとは思えない。何かあった方が良いのになぁ という著者の当て込みが見え隠れするだけだ。

故にその 銀天街という今はさびれてしまった商店街の小さな紳士服屋から云々,と云う書き方をしきりとしているが 柳井はんは学生時代にその小さな紳士服屋の親に全額を負担してもらってなんと世界一周観光旅に行っている。1970年代の事だ。これは相当に裕福なおぼっちゃま身分だ。とても貧乏な境遇から世界に名を馳せる ユニクロ を作り上げた というドリーム話などではない。金持ちのボンボンが財力にものを言わせて作った会社がたまたま運よくのし上がっただけ!と僕は観た!!

しかし柳井はんって人相が良くないね。初めて顔写真見た時には あ,こいつはヤバイかもと思ったもの。そういうヤバイ系の顔だな柳井はんは。まそれ以上の問題はいまのところ無いみたいだけどな。今のところw。(柳井の伯父である政雄は マジで一時は本物のヤクザだった事をこの本で僕は知った。そして柳井の父 等もそのヤクザの政雄に感化されて 少しそういう素行のある人だったらしい。これは事実なので隠しても仕方ない事だ,と本書には書かれている)

文中で柳井はんが用いる一人称。僕 と 俺 がある。使い分けている。と云っても著者がそう書いているだけで 本当のところがどうだかは分からないが。記者である著者の取材に答える時は柳井はんは「僕」を使う。まあそりゃそうでテレビでのインタビューでも普通は僕か私で応答するだろう。しかし自分の頭の中で考える時のは「俺」である。圧倒的に柳井はんにはこの 俺 の方が似合う。しっくりくる。それは主に見た目がそうさせているのだと思う。だから「僕」と繰り返し言われるとちょっと僕はたじろぐ。

とにかく僕がユニクロについてびっくりしたのはそのコストパファオーマンスの良さ。確か2000年頃に買ったと記憶するライムグリーンのフリースフルジップジャケットをいまだに僕は着ている。20年以上平気で着られる。僕はこのフリースのジャケットをヨーロッパやアメリカの出張に持って行ってづいぶん重宝した。同じようなライムグリーン系のフリースジャケットの新しいのを買おうかとも思うのだが,この古いのが現役なのでなかかな買えない(笑)。 一時期のユニクロの品質良さすぎは営業戦略的は少し失敗してるのだ(笑)。

マクドナルドの創始者レイ・クロックを柳井は師と仰いだらしい。そのレイ・クロックの話が始まるページに若きウォルト・ディズニーが登場する。第一次大戦中レイと偶然にも同じ隊にウォルトがいたらしいのだ。すわ!これは柳井はんはディズニーとも関りがあるのかと先を急いだがウォルトが出て来るのはその一行だけ。ただそこに居たというだけの事らしい。ストリーとは何の関係も無い。ここでも著者の当て込みと虚栄心みたいなものがあらわになっている。どうもあまり行儀のよい著者ではないみたいだ。

で,ここからは著者の文章上の癖についての僕の揶揄が始まる。 前後の意味がキチンと繋がらににもかかわらず やたらと「だが」「しかし」を使ったり 余計な修飾語や形容詞を多用する。文章を書いているとそういう風にしてまあ字数を稼いだり 読んでその場だけ気持ちの良い状態にしたりしがちであろうが結果は失敗である。これはキチンとした推敲や校正が第三者の手で行われていない事が一番の要因だと思う。

いたるところに「時間を巻き戻す」という言い方を用いている。先に衝撃的な結論なり結果を書いて置いて その上でそうなった経緯を語るのに「ここで時間を少し巻き戻して,」とやるのだ。一冊の本に一二個所ならまあいいがこの本はこればっかりだ。三回目くらいのところで読者(僕の事ですw)は ああまたか と辟易する。プロの作家じゃない(筆者は新聞記者だろ?)のだろうからまあいいかこれでw。

同様に「店にお客が入りきらない・・・」という言い回しを幾度も用いてその新規店が上手くいった時の状況をしつこく説明している。これも一二回なら おおそうか とも思うが,こうも毎回「店に御客が入りきらない」とやられるとうんざりだ。長いストーリーなんだから新規開店なんて沢山あるに決まってる。上手い言い方を考えたつもりだろうがこれは相当にしつこい!

要するにこの本は前段に書いた 推敲行為 が決定的に欠けている本なのだな,と感じた。まあなにもこの本に限った事ではなくて最近の出版界全体の傾向なのだが。言わずもがなだが 紙に表記するでないネットの文章は たとえマスメディアが掲載したものであっても全く推敲されていない物が散見される。言葉は変わっていくものだけれど意味が通じなくあきらかにおかしい文章を正当化する事など出来る訳はない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月26日
読了日 : 2024年4月26日
本棚登録日 : 2024年4月22日

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