ポピュリズムへの反撃 現代民主主義復活の条件 (角川oneテーマ21 A 124)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年10月9日発売)
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学生時代にオルテガの「大衆の反逆」をむさぼり読んだ。大衆の動きや考えが社会に反映し、自分のことは棚において「われわれとあいつら」の構図で-指導層の意図に反して-褒め称えたり時には抹殺する。「大衆」という概念を初めて提起した本だとゼミで教わった。

本書はオルテガから大衆とそれをとりまく社会政治状況がどう変容したかをわかりやすく説明。数ヶ月前に著者の講演を聞く機会があり、進歩左翼的机上の論理に首を傾げて聞いていたが、ポピュリズムの明快な説明には大いに合意したのでこの書を購入した。
小泉時代から日本政治は物事を「単純化」し「二項対立」を描くことで大衆を扇動していると説く。それは政権交代を仕掛けた民主党も同じ。「悪いのはあいつら」と説いて、自己を多数派と認識させて大衆を誘導する。そんなこと手法ばかり続いている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 政治・外交
感想投稿日 : 2011年4月9日
読了日 : 2011年4月9日
本棚登録日 : 2011年3月20日

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