西郷隆盛: 西南戦争への道 (岩波新書 新赤版 231)

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  • 岩波書店 (1992年6月19日発売)
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西郷隆盛の評伝。有司専制への批判が西南戦争へとつながった。同じく有司専制を批判した自由民権運動は共和制を志向したが、士族の反乱は天皇専制を志向している。西郷は、軍事的圧倒や敵内部分裂から妥協的解決を見出す優れた軍略家である一方、政治家としては大久保利通とは対照的に薩摩藩(島津斉彬)への敬慕が行動を規定し続けた。藩主の臣であることと天皇の臣であることは矛盾せず、西郷は皇国主義者であるとする。大日本帝国憲法発布後に逆賊であった西郷が復権したのはその証左かと。

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感想投稿日 : 2012年8月15日
本棚登録日 : 2012年8月15日

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