渋沢栄一 巨人の名語録 日本経済を創った90の言葉 (PHPビジネス新書)

  • PHP研究所 (2012年11月20日発売)
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新一万円札の人。だれやねん!って思ったので、ちょっと勉強しておこうかと思い読んだ。すぐ読めた。

・逆境にあった渋沢が成功したのは、自らの誤りを素直に認め、軌道修正をしたからに他ならない。

・人が名を成すのは苦しく辛い時であり、失敗するのはすべてが順調に進んでいる時

・ビジネスではいちいち上司の命令を待っているとチャンスを逃すことになってしまう

・好人物だが事業経営の手腕に欠ける人は、良い部下と悪い部下を見極めることができない。しかも帳簿の見方などもわからないから、部下に騙されて、自分の罪ではないのに窮地に追い込まれることがある

・時流に流されず、自分のやりたいこと、自分の行きたい道をしっかりと見据えなければ、志を立てたとはいえない。

・時代によって求められる人物像は変わる
 勇ましくて戦いに強い人や、豪胆な人が求められたのは明治維新前で、現在(※明治)は冷静沈着で細かいところにまで注意が及ぶ人が求められている。求められている人が違うのだから、学生気質が昔と違ってくるのはむしろ当然。

・渋沢が挙げる事務員に必要な資格
 ① 簿記に熟練すること。
 ② 数字に強いこと。
 ③ 分筆の才を持っていること。
 ④ 読みやすい文字を書くこと。
 ※ 事務員の定義がきっと変わってて、今でいうとサラリーマン全般に必要な資格だと思う。ただ、ITの発達で④についてだけは、重要レベルが下がったと思う。
 お金の勉強しなきゃな。。。

・渋沢が挙げる事務員に必要な性格
 ① 正直かつ親切で、徳義を重んじる人
 ② 何事に当たっても勤勉で、力を尽くして務めること
 ③ 着実であること。豪傑さは一切必要ない。
 ④ 活発なこと。ただし粗暴乱雑とは違い、命じられた仕事をすぐに処理できること。
 ⑤ 性格が温厚かつ善良で、言語・態度ともに丁寧親切であること。
 ⑥ 会社の規則に従い、上司の命令に背かず、自分の分限を守ること
 ⑦ 仕事を投げ出さない忍耐力があること
 ※ 江戸からの脱却の観点の話もあるが、割と現代にも通づる物がありそう

・二つの仕事も満足にできない凡人がミスをなくすには、ひとつに集中してやり遂げること。

・孔子いわく「罪を天に獲れば、祷るところなし」。
 無理な真似をしたり不自然な行動をとれば、必ず悪い結果が生じるという意味。自分の気持ちに背き、恥も外聞もなく腰巾着のような真似をしていると、たとえ望む地位が与えられたとしても、周囲からは決して尊敬されない。地位と尊厳、人にとってどちらが大切か。それを考えて行動すべきだろう。

・秀吉が信長から重用された理由も、まさにここにあった、草履係のしごとを立派に勤め上げ、わずかな兵士を託された時もその首領として仕事を完璧にこなしたからこそ、信長が感心して柴田勝家や丹羽長秀と肩を並べる破格の身分を与えたのである

・三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎も同じである。弥太郎が土佐藩ではじめて与えられた役職は「下役」という使い走り。だが、それでも努力と気配りを続け、やがて出世した。

・部下が過失を犯した時の対応は特に無く、普段から「常にすべてのことに注意を怠るな。注意を怠ると、やるべき仕事を忘れたりものを壊すことがある」と注意した。この方法は必ずしもミスを改めさせる最高の手段とはいえないが、渋沢が実験したところ最も結果が良い方法

・ただし、たとえば酒をたくさん飲む癖があるとか、なにか考え違いをしているというように、際立って悪い問題を抱えている場合には、事実を指摘してその不心得を諭す

・もし憎悪の念を持って人を責めれば、せっかくの忠告もまったく効果がないどころか、かえって相手に反感を起こさせてしまう。その結果、相手に怨まれ、たとえ親友でもそれが原因で絶交することになる。そのため、人を諌めたり責めたりする場合には「罪を憎んで人を憎まず」ということを忘れてはならない。

・金銀財宝を得るというのは単なる結果であるべきで、本当に大切なのは、楽しく働くことである

・どんな大企業のオーナーでも、最初から人を使う立場で社会生活をスタートする者はまずいない。

・人に使われる者が最も大切にしなければならないのは、主人に「この人物をなるべく永く使いたい」と思わせること

・経験の少ない若者に、はじめから重要な仕事を与えるものはいない。豊臣秀吉のような大人物でも、木下藤吉郎時代に最初に与えられた仕事は草履番。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年8月17日
読了日 : 2021年8月17日
本棚登録日 : 2021年8月17日

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