
200年以上前の人間から更に原始の頃まで考えを遡らせるために、傍観者的視点から、うんうんと頷く視点に行くのに時間が掛かる感じがした。
ただ、何時の時代をもいい得ている考察などもたくさんあって、ここから、「今」に繋げていく作業をして初めて「読了」なのかなと思う。
人間は未開人の状態からふとしたきっかけで社会を形成し、そこから、欲望、横暴、嫉妬などの状態が生まれてきたことを彼が指摘したとしても、ここにある社会を擲って、未開人に戻りたいなどとは言っていないことが、読んでいて、落ち着いていられたというか、救われるというか、じゃあこれから一緒に考えていくのだな、という風に思わせてくれていた。
- レビュー投稿日
- 2013年5月2日
- 読了日
- 2013年5月2日
- 本棚登録日
- 2013年3月18日
『人間不平等起原論 (岩波文庫)』のレビューへのコメント
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