古典的な香りが色濃く感じられる究極の恋愛小説。
三島由紀夫に興味がなくても読める。
主人公は図書館司書の類子。かつての同級生で、建築家の正巳。もう一人の同級生、阿佐緒。
物語は三人を中心に進んで行く。
それぞれが抱える心の闇は深くて重い。特に、建築家の正巳は事故により性的不能者である。
色々な事件を織り交ぜながら、確実に死へ向かって行く者達。そこに行き着くまでの心理描写が細密。
愛する者達を失っても、生き続けていかなければならない人間の静かな強さを感じさせるラスト。
余韻が切ない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年2月28日
- 読了日 : 2013年2月28日
- 本棚登録日 : 2013年2月28日
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