最低で最高の本屋 (集英社文庫)

3.50
  • (40)
  • (75)
  • (77)
  • (27)
  • (7)
本棚登録 : 962
レビュー : 88
著者 :
sachikoniheiさん  未設定  読み終わった 

松浦弥太郎版「就職しないで生きるには」。就職せずして個人で仕事をしていく方法。
松浦さんといえば「暮らしの手帖」編集長で古本屋さんをやっている文化人、っていうイメージが先行しているから、学歴も高い人かと思っていた。高校中退ということをこの本で知ってびっくり。
でも、そういうレールの敷かれた道を歩いてきたんじゃないからこそ、視野が広かったり他人と違う視点をお持ちなんだろうなあと納得もする。簡単じゃないよね。

「本当のことってなんだろう」と葛藤する思春期のことも書かれている。私も高校生ぐらいのときは多数決で決められた「正しさ」とか「当たり前」にうんざりしてたな。反骨精神、というものなんだろう。思春期の中で養った反骨精神が、それからの人生で必要になる自分自身の価値基準を形成するのに大切になっていくものだと思う。
道徳的な「正しさ」ではない、自分自身との戦いから学び、勝ち取った「正しさ」が底流に流れているからこそ松浦さん自身の輪郭がはっきりと見えてくる。
古いものの価値を知っていて、本が好き、という時点で私にはとても好ましい人物に映るのだけど、それだけじゃない人間力を兼ね備えている人。

人間としての幅の広さは、ニューヨークの道端で本を売っていたときから培われていたという。地をなめるようなつらさもあったはずなのに、「自分が一番楽しかったころ」として振り返っている。
働くって、単に楽しい、楽しくない、つらい、つらくない、のどれでもなくて、むしろそのすべてをひっくるめたところにその本質があるんだと思う。働くことの原点にいつでも立ち返れる人。そういう人こそプロフェッショナルと呼ばれるんだと思う。

レビュー投稿日
2012年8月19日
読了日
-
本棚登録日
2012年9月12日
3
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『最低で最高の本屋 (集英社文庫)』のレビューをもっとみる

『最低で最高の本屋 (集英社文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする