モモちゃんとアカネちゃんの本(4)ちいさいアカネちゃん (児童文学創作シリーズ モモちゃんとアカネちゃんの本 4)

著者 :
  • 講談社 (1978年11月30日発売)
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感想 : 30

娘のために図書館で借りてきたもの。確か私も小学生時代に読んだはずだけど、大人になって再読してみて、こんなに深い話だったの?と驚くこと多々。小学生のモモちゃんとまだ赤ちゃんのアカネちゃんと暮らすママは「げんこうようしに字をいっぱい書くおしごと」をしているシングルマザーで、作者の松谷みよ子さんの分身ともいえる存在。子どもたちを取り巻く夢あるファンタジーのおはなしがあるかと思うと、ママが以前に「ごやっかいになった」という不吉な「死神さん」が出てきたり、別れたパパが狼に姿を変えて、子どもに会いにやってきて、さらにはそのパパが小鳥(パパを慕う女性たちのメタファーとおぼしき)を飲み込んでしまったり、という少し異質な物語も挿入されます。これはモモちゃんアカネちゃんシリーズの第4巻ですが、最後の第6巻にはそのパパの死まで描ききっているそう。全巻完成までに30年を要したという家族の大河物語。そのあたりのことは、松谷みよ子さん自身がのちに自伝風に語った「小説・捨てていく話」に詳しいそうなので、そちらを読んでみたくなり、早速注文した。

女ひとり創作で生活を支えていく苦労と、待ったなしの子育てに挟まれた切なさとか、ふとした拍子に傷つけてしまう子どもの心へのすまなさとか、それでもたくましく情緒ゆたかに育つ子どもに助けられ救われるような思いとかが、行間からにじみ出る。これは大人のための癒しの童話でもあるのかもしれません。「おしごとママは、よわむしママで、くたびれママでした」という文中の言葉に、わが身につまされる思いをする女性は多いはず。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書
感想投稿日 : 2011年11月29日
読了日 : 2011年11月29日
本棚登録日 : 2011年11月29日

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