けっこう前に芥川賞を受賞した作品です。
積ん読状態だったのが、やっと読めました。
内容は、仕事もしていない、親戚からごくつぶしだと思われていて、四六時中大麻のことを考えている『俺』が、ばあちゃんの介護を通して感じたことを書いている。
文体が特殊で、ラップ調というのかなぁ・・・ちょっと違うかな?まぁ、そんな感じで描かれています。
YO!朋輩(ニガー)明日なんてない、いつだって今日だとわかってたつもりだったんだがな。
~本文より~
ただ、普通の文体で介護の実態を書かれているよりは、不思議と説得力がありました。
「俺はロクデナシだ」という視点から書かれているからかなぁ?
ほぼ、自由に動けない祖母の、それでも何かを楽しみたいという気持ち。
介護に携わらないヤツが、本人の前では言わないにしろ
「おばあちゃん、これだったら死んだ方がましやね」
なんて言うのを許さない。
確かに、祖母は泣くこともあるけど、それと同じだけ笑って楽しむこともある。
ほぼ寝たきり状態で生きるっていうのは、想像できないし、やっぱり、そういうふうにして生きるのはツライなぁと思ってしまうのだけど、この作品を読むと、そうでもないんだなぁなんて思ったりして。
文体に慣れるのにちょっと時間がかかったけど、良い作品でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2018年3月29日
- 読了日 : 2018年3月25日
- 本棚登録日 : 2013年2月11日
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