『壬生義士伝』から新撰組と幕末・御維新をもっと知りたいと思った。本書はまだ戊辰の頃を実際に見聞きした人々を取材してまとめたもので、短文を連ねた構成は講談を聴いているような快さと面白さを感じる。江戸っ子が遠くの戦や彰義隊の戦いを他人事のように見ている様子は、戦争の装備が現代とは比べるべくもない小火器を中心としたもので、一般住民を巻き添えにしないものであることも幸いしたろう。解説にもあるとおり、将軍が君臨する国と天皇が統べる国の両方を受け入れてしまう日本人の不思議な柔軟性に苦笑してしまう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
人文科学
- 感想投稿日 : 2017年8月15日
- 読了日 : 2017年4月4日
- 本棚登録日 : 2017年8月15日
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