足掛け二日で読了できるほど短い小説なのに、〝おれ〟の東京暮らしから松山へ教師として赴任し、嵐のように彼の地を駆け抜けていく筆致に大いに楽しませてもらった。漱石がところどころにシレっと書いている江戸言葉を見るにつけ、この時代はまだ江戸が生々しい時代であったことを羨ましく思う。今回は一字一句を大切に読もうと思っていたが、そうするとこの江戸言葉や松山の方言が響いてくる。現地の地名などが程よく架空のものとなっており、本作の舞台を訪ねるには相当に下調べが必要だが、それもまた楽しそうだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(邦国)
- 感想投稿日 : 2017年8月22日
- 読了日 : 2016年1月2日
- 本棚登録日 : 2017年8月22日
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