二十三の戦争短編小説 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2004年3月10日発売)
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『AX』に引用された「プレオー8の夜明け」を収録。第二次大戦前から南方戦線の兵士として派遣された著者だが、当時の国内の雰囲気に流されることなく、戦争に対して醒めた視線を持ち続けられたのがすごい。幹部候補落第生、虚弱、下級兵士であったことが功を奏したか、最前線に送り込まれることなく戦争から生還。南方戦線の悲惨さ、日本軍の暴虐、従軍慰安婦の姿を、冷静な筆致で描く。1969年「墓地で」から95年「真吾の恋人」までの23編は、エッセイが3/4の割合だが、このような戦争体験を読むのは初めてで、とても良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(邦国)
感想投稿日 : 2024年6月8日
読了日 : 2024年6月8日
本棚登録日 : 2024年6月8日

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