このお話の面白いところは、VRを装着する民族ではなく、『自分の認識している世界』についての基盤が、VRが現実と感じるスー族の研究内容を聞いてるうち、ぐらぐらさせられてくるって事じゃないのかと思う。
スー族の死者の世界の実存の話と、停電の時の話。個人的には、特に凄く深く突き刺さっています。
目の前の世界が、このお話を読んでから、妙に不気味に感じられはじめて困りました。
さらに、平野啓一郎さんの『本心』を読んだ後のせいもあり、VRについて感じるイメージが少し怖いものにも思えてきてて……避けがたい変化になってくんだろう将来に、さらに考えこんでしまった。
Amazonでは着想に加点されつつも、構想が練れていないという評もあったようですが、素直に楽しめました。現実に可能かどうかとかいう話をしだしたら、SFのすべてを許容する事がまずできないようにも思います。
2010年代SF傑作選で読んだので、一緒におさめられているアイドルマスターの方はまだ未読。熱量スゴイらしい……愉しみではあります。
015
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SFは「少し不思議」で終わらない!
- 感想投稿日 : 2023年4月29日
- 読了日 : 2023年4月29日
- 本棚登録日 : 2023年4月29日
みんなの感想をみる