スーさんの「ガリガリ君」ヒット術

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  • ワニブックス (2016年7月20日発売)
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3

ガリガリ君の開発秘話のようなものを期待していたら、思いのほか社会人としての処世術の話が多かった。
※もちろん開発秘話も語られている

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<自分らしく働く>

■笑顔でYES、心でBUTが社会や会社に馴染む道

社会は価値観の異なる幅広い世代とコミュニケーションを取らなければならない
時には自分の価値観を押し付けてくる人も居るが、
「正しいのは私だ」と心の中で思っているようにする=自身を無くさずに済む

ある程度の全体感が掴めた時点で意見を言える関係性づくりをしていく
⇒ガリガリ君の「コーンポタージュ味」を手掛けたのは入社2年目の若手社員


■時代を読み、変化して行くこと

「コーンポタージュ味」は、
TV番組で芸人が「コンポタ嫌いなやつって居ないよな」と呟くのを聞いて思いついた

CMやTV番組を見るのも勉強になるが、
違いは何だろう、と漠然ではなく能動的に情報として取り入れると時代を読めるようになる

ガリガリ君のヒットも、
「まもなく小売店に代わってコンビニが来る」と予測した当時の井上社長の一言から


■社会で求められるのは問題発見能力と問題解決能力

何かを生み出すには「問題を発見する能力」と「想像力」が求められる

いろいろな情報に触れて、気になったものは自分の中にストックしておく
するとある瞬間に情報が結びついて「これだ」という瞬間が来る

ガリガリ君は当時流行していたカップアイス=両手が塞がる事から開発された
ゲームや本に触れながらアイスを食べられるワンハンドアイス、という"問題を解決する"商品


■短所と長所は紙一重

評価は人が勝手に決めている事で、自分は自分
過去を変える事はできない
短所も長所も自分だと思える人は、物事を大きく構えられてスケールの大きな人になる


【ヒット商品の本質】

■逃げ道を閉ざしてゾーンに入る事がヒット商品を生むコツ

ガリガリ君の初回フレーバーを決めるにあたって従来のヒット商品の味は"使わない"と決めた
そこでひらめいたのは、「歴史を紐解く事」⇒長く愛されているラムネを元に"ソーダ味"ができた

逃げ道を閉ざす事や今あるものの"否定"は新しい事に繋がるチャンスを生む


■企画を通したい時に伝えるべき6つのポイント

1.なぜその商品を作ったのか、理由と背景(市場の問題点)
2.その商品の特徴(問題点の解決)
3.どんなお客様をイメージしているのか
4.原料はどんな点にこだわっているのか
5.デザインのポイントは何か
6.ワンポイント・セリング・メッセージ(=セールスポイント)は何か

ex)ガリガリ君
1.娯楽が増え、遊びながら食べられるアイスが求められている
2.ワンハンドアイスなので本を読みながら、遊びながらでも食べられる
3.元気に遊び回る子ども達に食べてもらう
4.ほかのアイスメーカーが使っていないソーダ香料をつかう
5.空や海をイメージした"ガリガリブルー"
6.しかも他のワンハンドアイスより5割増の大きさ


■ネーミングは7文字以内が売れる

・「ガリガリ君」「ガツンとみかん」など
・形容詞や一般名詞は避けた方が良い(=真似されないため)

ガリガリ君は当初”ガリガリ”だったが、
人の名前のように固有名詞にした瞬間から個性が生まれ、愛着が沸き、覚えてもらえるようになった


【仕事を楽しくする極意】

■情報をくれる人がどんどん集まる極意

情報を貰える人を関連する各業界に3人ずつ人脈をつくった
⇒3人が同じ事を言えば、信憑性が高いという事に

情報が集まるようになるには、人が持ってきた話に耳を傾けること
「この人はちゃんと話を聞いてくれる人だ」という認識が、次の情報を引き寄せる


■仕事を楽しむ3つのコツ

1.常に新しい事にチャレンジすること
2.常識を真逆に考えてみること
3.誰かが喜んでくれる姿を想像すること


【真のリーダーと言われる為の心構え】

■部下を育てる時の"任せるポイント"

1.「一から十まで全て任せる、口出ししないよ」と幅を「全て」にすること
2.意見を求められた時にヒントやアドバイスを提示する事
 ⇒こういうやり方もあるよ、と選択権や決定権はあくまで部下に委ねる
3.「やってみてごらん、責任は持つから」と責任の所在を明らかにすること
4.肩書き・ポジションを与えること
5.報告する仕組みをつくっておくこと

「任せる」「託す」ことで部下はどんどん成長し、結果として強い組織ができる

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年8月20日
読了日 : 2017年8月20日
本棚登録日 : 2017年8月20日

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