荀子 下 (岩波文庫 青 208-2)

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  • 岩波書店 (1962年4月16日発売)
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感想 : 7

再読。天論・礼論・正名・性悪などの篇は非常に迫力がある。「天行、常あり。堯のために存せず、桀のために亡びず」(天論)、「人は生まれながらにして欲あり。欲して得ざれば則ち求めなきこと能わず。求めて度量分界なければ争わざること能わず。争えば則ち乱れ、乱るれば則ち窮す。先王は其の乱を悪みしなり。故に礼義を制めて以てこれを分かち、以て人の欲を養い人の求めを給し、欲をして必ず物に窮せず物をして必ず欲に屈せず、両者相い持ちて長せしむ。是れ礼の起る所なり」(礼論)。「異なれば則ちこれを異にす。単にして喩るに足れば則ち単とし、単にして喩るに足らざれば則ち兼とし、単と兼と相い避くる所なれければ共とす。」(正名)などは、荀子の客観主義を示している。ほかには「墨子は用に弊われて文を知らず」、「荘子は天に弊われて人を知らず」(解弊)など諸子百家の思想を簡潔にまとめている所もある。大略篇はまとめであり、哀公や堯問などは孔子と弟子の逸話などが多い。やはり、荀子は経学の父であり、詩・書・礼・楽・易・春秋などの話も多い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中国学
感想投稿日 : 2013年6月2日
読了日 : 2013年6月2日
本棚登録日 : 2013年6月2日

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