都市の魅力アップ

  • 学芸出版社 (2008年3月10日発売)
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都市はいってみたいという魅力に溢れていなければならない。訪れる人がいなければ都市そのものの概念が覆る。「住んでみたい都市」「住み続けたい都市」は必ずしも、「行ってみたい都市」ではない。どのような魅力があれば「行ってみたい都市」になるのか、そのような魅力はどうすれば形成できるのか
「まちづくりに取り組む、あるいは参加する人々が楽しいからこそ、活き活きとした年が生まれる。あなた任せのまちづくりでは、楽しい魅力のある都市を生み出すことはできない。」
都市が人々を惹きつける力についてこれまで様々に論じられてきた。人口動態論では、人口を惹きつける要因をプル要因といい、その反対の力はプッシュ要因である。プル要因には、経済活動や雇用の機会、教育を受ける機会、文化的な蓄積に触れる機会、娯楽の機会、あるいは刺激を受ける機会のような様々な項目が並べられる。プッシュ勝因には、環境の悪さ、治安の悪さ、刺激の過多などがある。
イギリスのマンチェスターの適切な構成要素を示したガイドライン。
①街路:交通網としてよりも、社交性、コミュニティ、自然を楽しむことを促進する。
②統合化:街路のパターンを統合させ、その中で多様性に富んだ街路利用を促進する。
③密度:街路を活気づけ、公共交通を支え、店やサービス施設を支えることができるように居住者やアクティビティの密度を設定する。
④浸透性:歩き回りやすく、周囲と強い結びつきを持った街を開発する
⑤ルートと交通:車のスピードを抑えることによって、車が主人公にならないように車の施設を整備する。
⑥ランドマーク、見通しと焦点:パブリックアートと共に既存または新しい建築物を利用し、興味や面白さ、特徴を創造する。
⑦空間の定義付け:適切に釣り合った建築物によって生み出される、魅力ある公共の領域を想像する。
⑧ヒエラルキー:地区の構造が街路網に反映されており、その構造に従って空間利用や建物を位置づける
⑨アイデンティティ:場所の強いセンスを創造するため空間や建築物のデザインにおける多様性を推奨する。
⑩持続性:効率的なエネルギー、リサイクル、公共交通そして都市生態を推奨し、そして将来の変化に柔軟に対応することによって環境的、社会的、経済的に持続性のある開発を促進する。
商業空間は、都市の基本的な機能空間であると同時に都市に魅力を与える重要な空間でもある。つまり、まちづくりにおいて人々を引きつけ、都市の顔となる空間である。視点として、「界隈性」「文化性」「自然とくつろぎの空間」「人と人との交流」
第十章自前で魅力発信のメディアを作る岸田文夫
全国に伝わる大阪の姿といえば、お笑いの街であったり、利にさとい街であったり、マナーの悪い街であったり、怖い街であったりとしたイメージであろう。海外の旅行ガイドブックで大阪はヤクザの街と紹介されている。2001年に2月大阪ええはがき研究会が誕生した。大阪にはこれだという良い絵葉書が売られていない、それなら自分たちで作ろうというわけである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年4月27日
読了日 : 2014年4月27日
本棚登録日 : 2014年4月27日

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