下巻になってきたら、ちょっと「悪魔の選択」を思い出した。なんだか、フォーサイスの初期の名作をこね合わせたみたいな感じ。読み応えがある。が、上巻に比べてみると少し単調になったかもしれない。
途中起きるとんでもないアクシデントが、物語の幅をわっと広げてくれて、そりゃ楽しく読んだのだけど、後から思い返してみると、ちょっと長さ稼ぎの嫌いがないわけではないかな。
ラストは自分の中では複雑な気持ちで受け止めた。彼の中にあるアラブ的なものがここへきて前面に出てくると言うことなのかもしれない。登場人物としてはこれしかないという選択だと思うが、作者としては別の選択があったのではないかと思う。
それにしても、この件について言えば、失ったものと守ったもののバランスを考えると、やはり複雑な気持ちになる。テロとか戦争というのは、ものすごい金と時間と命の無駄遣いだなと改めて実感する。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外の小説
- 感想投稿日 : 2012年8月18日
- 読了日 : 2012年8月18日
- 本棚登録日 : 2012年8月18日
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