「リーダーは決断するのが仕事です。」
本書の中では市長当選後は割と順調に市政が進んだかのようにテンポよく語られていますが、現実は変化を求められることへの根強い反発や既得権益層との厳しい戦いなど、決して楽な道のりではなかったと思います。(敢えてそういった泥臭い部分を多く語らないところに好感を持ちました)
前市長は、市の負債を縮小するなど、それなりの実績を残しており、再選を決定的に危うくするほどの失政は無かったようです。それでも当時の国政や中国漁船事件の対応など、民主党政権に対する不信感は大きな逆風となり、知名度こそあれ政治経験ゼロという未知数の36歳の若者を大きく後押ししたことも事実だと思います。本当に何かを実現する人は、自身の才能や努力だけでなく、そんな時の運をも味方につける天賦の才能を持っているのではないかと思いました。
すでにこれまでの経験則や既成概念は通用しない世の中です。日本をここまで豊かな社会に成長させてくれた先人に尊敬の念を持ちつつも、これからの時代を牽引する若きリーダーの一人として、今後もどんどん「決断」して欲しいと思いました。
個人的には「命のバトン」の件(くだり)がとても心に残っています。
… それはコツコツとした地道な仕事を通してでもいいし、世界を変革する起業でもいい。また次の世代を担う子孫を残すこともひとつの命のつなぎ方ですし、生き様を記憶として次の世代へ残すこともできるかもしれません。(p252)
自分はどんな形で命のバトンを繋ごうかな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
社会
- 感想投稿日 : 2019年2月20日
- 読了日 : 2019年2月17日
- 本棚登録日 : 2019年2月15日
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