風味絶佳

3.39
  • (128)
  • (290)
  • (742)
  • (46)
  • (12)
本棚登録 : 1912
レビュー : 390
著者 :
ramushutoumiさん    読み終わった 

恋愛の短編だと思って読み進めていたら、作者のあとがきを読んでびっくり。
まさかキーワードが「職人」だとは思わなかった……!
読み返してみると、職人というよりガテン系?のような気がする。
要するに肉体労働者の恋物語ってわけですね。

「間食」
職業:大工
二股をかける雄太。浮気相手の花にたっぷりとした愛情をかける傍ら、本命の加代にはどっぷり愛され甘やかされている雄太。その甘やかされっぷりは、見ていてこっちがはずかしい。スイカの種くらい自分で取れよ、と突っ込みたくなる。愛され過ぎて愛すことが出来ないからといって、余りまくった愛情をぶつける捌け口に花を使っている雄太が人間のクズにしか見えない。変人扱いされている仕事仲間の寺内は、少し不気味だけど中々魅力的。

「夕餉」
職業:ゴミの作業員
旦那と別れ、同居する絋のため料理を作る美々。 その料理にかける情熱は執念と言ってもいい。
その美々の作る料理はとても美味しそうで、読んでるとお腹が空いてくる。
一緒に暮らしてる絋が、少し子供っぽさがが残るけどチャーミングで優しくて素敵。
このお話が一番好き。二人の間に流れる時間が暖かくて心がほっこりする。まるで出来立ての美味しい手料理を食べたときみたいに。

「風味絶佳」
職業:ガソリンスタンドの店員
アメリカかぶれのグランマにふりまわされる史朗。
このグランマがまた強烈で、70歳なのに真っ赤なカマロを乗り回し、孫とたいして歳の変わらない男をボーイフレンドとして隣に置いてる。しかも彼女のいうボーイフレンドは、寝た男に与える称号らしいのだ。このグランマはわりと読者の方には人気らしいが、私はどうも好きになれない……。確かに見ていて飽きないし面白いけど、実際こんやお婆ちゃんがいたらちょっと恥ずかしいかなぁ…。
グランマに仕込まれたレディファーストを持て余してる史朗が、少し哀れでした。

「海の庭」
職業:引っ越し屋業者
離婚した母とその幼なじみの作並君が、こどもの頃の初恋をもう一度やり直す話。「大人が初恋やり直すっていやらしくて最高だろ?」っていう作並君が色っぽくて素敵だった。
このお母さんと作並君の会話が、その台詞の前まではいじらしくて可愛いなぁ、と思って見ていたのが、一気に淫靡なものに見えてきて、さすがは山田詠美さん。
主人公の日向ちゃんはこの作並君に恋しちゃうわけだけど、こういうおじさんがいたら多分このくらいの年齢の女の子は好きになっちゃうのも分かる気がする。というのも、作並君ってそれなりに歳を取ってるから、変に尖ったりすることもないし、いつも自然体でいるんだよね。若い者に対して見栄を張ったり張り合ったりすることもないから、気楽に付き合えるというか…。上手くいえないけど、思春期のささくれた少女が心を許すのは、きっと自然体で向き合ってくれる寛容な大人なんだと思うわけで、それが作並君何だよね、きっと。

「アトリエ」
職業:下水の清掃員
ディープすぎてこどもの私にはよく分からない……。
多分、どちらも30は過ぎてるのよね?
してることが赤ちゃんプレイを見てるようで、気味悪かったのしか記憶がありません……。

「春眠」
職業:火葬員
これも中々……。大学時代好きだった友人が自分の父親と結婚しました!というとんでもない内容から始まる。主人公の章造はイライラモヤモヤしながらも、二人と過ごしていくのだが、ある日家族旅行に出掛けた際にそれまでの不満が爆発してしまう。
いや、これは爆発しても、仕方がないよ……。男手ひとつで育ててくれた親父が、若い嫁貰ってデレデレするところなんぞ見たくないし、ましてやそれが同級生で、しかも想い人となると心の葛藤は生半可なものではないだろう。しかもそのイチャイチャが見ていて非常に不愉快……。
母さんが可哀想だ!というところも、凄く同感。親父も少しは元妻のことを労ったらどうだなんだ~!


多分私は、歳の離れた恋愛ものが苦手なんだろうなぁ……。片想い、とかならいいんだけど、付き合っていく、となると何故か気持ち悪い……と思ってしまう……。まあ、恋愛は人それぞれですもんね!私は無理だけど、他人にがする分には別にいいんですけどね!

レビュー投稿日
2015年7月1日
読了日
2015年6月24日
本棚登録日
2015年6月24日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『風味絶佳』のレビューをもっとみる

『風味絶佳』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする