あるようなないような (中公文庫 か 57-3)

著者 :
  • 中央公論新社 (2002年10月25日発売)
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本棚登録 : 1109
感想 : 83

2017.4.1市立図書館
94〜99年頃にあちこちの媒体に書かれた文章をまとめた第一エッセイ集。
川上弘美の文章はなんとなくとまらなくなる。波長が合うというか…ちょっとぼんやりとしたところとか、思考回路が近い気がする。ら抜きと母娘の葛藤をつづった「なまなかなもの」なんかおもしろかった。「ゆるやかに効く薬」のような読書周りのエッセイはやはり興味深い。いい年して児童文学を読んでいたことに共感を抱く。まじないとして読む漫画のチョイスに頷く。「しみこみやすい人」にでてくる、どんなに飽和状態でもしみこんでくる人物とは誰だったのか気になる。息子さんたちにその後「淫靡な」本をあたえたのかどうか後日談も気になる。結びの表題作9篇も現実と虚構のあわいを行き来しているような感じでよかった。
借り物を移動の隙間でちょこちょこ読んだけど、返すのがちょっと惜しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文庫
感想投稿日 : 2017年4月1日
読了日 : 2017年4月22日
本棚登録日 : 2017年4月1日

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