2024.9.19市立図書館
イタリア・ナポリの下町を舞台に、第二次大戦末期生まれの少女エレナとリラを中心にその成長と友情を描いていく物語。一冊目がおもしろかったので、時間をおかずに続きを予約して借りた。
幼年期から晩年までを描く四部作の2冊目は16歳のリラの結婚式の場面から、彼女らが23歳になってエレナが大学を卒業し、ひょんなことから小説が出版されたところまで。
暴力と金がものをいい、女や弱いものなどもののようにやりとりされ顧みられない(正直言ってほとんどだれのことも信じられなくなる)世界にもまれながら、才気はあるのに地元の濃い人間関係の中で生きていかざるを得ないリナと、勉強に打ち込むことでそこから出ていこうとするエレナ。
母となってみて子どもの教育の大切さに目覚めるリナの覚醒、そして大学で出会う人々とガリ勉で這い上がってきた自分のこえられない格差に気づいて苦しみつつ、地元に戻っても居心地の悪さを感じるエレナの心情は、遠く国の昔の話ではなく、とても身近な話として深く響いた。
続きが気になるし、第1巻の導入部も改めて読み返したい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2024年9月19日
- 読了日 : 2024年10月31日
- 本棚登録日 : 2024年9月19日
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