きみの体は何者か ――なぜ思い通りにならないのか? (ちくまQブックス)

著者 :
  • 筑摩書房 (2021年9月17日発売)
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本棚登録 : 318
感想 : 26

10代のノンフィクション読書を応援する新シリーズ創刊。
これまで中高生向けととらえられてきた老舗の岩波ジュニア新書や定番になってきたちくまプリマー新書のようなものも、現実の中高生にはもはや読みきれないという現場の声を受けて、よりとっつきやすく読み切れるものを目指したつくりとのこと(中学生向け学習入門シリーズと銘打ってひとあしはやく創刊した岩波ジュニアスタートブックス(=ジュニスタ)とほぼ同じ雰囲気)。QはQuestionのQであり、Quest(探究)のQでもあり。

ということで、創刊4点のなかで、いちばん興味のある伊藤亜紗さんのを買ってみた。中学以上で習うと思しき漢語にはふりがなあり。口語体で改行多め。自らの吃音体験、そして吃音研究をしてみてわかったことをベースに、だれにとっても多かれ少なかれままならない「自分の体」との向き合い方を考えていく。
読みながら、連発、難発、言い換えといった吃音の症状は、外国語で話しているときや、たとえ母語でもうまく言葉がみつからず黙ってしまうような経験にどこか重なると気づいた。「思い通りにならないこと」こそ人間らしさの本質ではないか、と思えるようになれば、そして、自分の体の解像度が上がることで個人的な体験をメタファーにして人と共有できるようになったら、自分の体とのつきあいかたはもっと楽しくなるかもしれないという結び。
巻末には「次の読んでほしい本」として、マンガやノンフィクション4冊の紹介あり(既読1冊)。

***

入手した書店(某デパート内大型店)では、このタイトルは家庭教育の本棚にひっそりはいっていて、同時刊行の他の3点はどこにあるかわからなかった。これまでにでている<14歳の世渡り術><よりみちパン!セ>シリーズもそうだけれど、この手のノンフィクション書籍やYA小説などをまとめて揃えたYAコーナーがないとターゲット世代に買ってもらいにくいのではないかしら?(岩波ジュニア新書とちくまプリマー新書も、以前フェアで参考書コーナーに並んだことはあるけど、ふだんは児童書から離れた一般新書コーナーだし…)
学校図書館に入って、そこで出会ってもらうのが主なルートなのかもしれないけど。

追記:暮れに本屋に行ったら、学参コーナーの一角に「中学読みもの」という棚ができて、岩波ジュニスタとちくまQブックスが並んでいた。よきかな。せっかくなら「よりみちパンセ」「14歳の世渡り術」シリーズやジュニア新書、プリマー新書あたりも並べて手に取れるといいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年9月23日
読了日 : 2021年9月23日
本棚登録日 : 2021年9月23日

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