虹の西洋美術史

  • 筑摩書房 (2012年12月1日発売)
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本棚登録 : 91
感想 : 9
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ノアの方舟、ギリシャ神話の女神、権力の象徴、プリズム、滝に架かる虹など、古くから神話や宗教の題材として描かれてきた虹をテーマに、虹が登場するさまざまな西洋の絵画作品を読み解いてゆく。なかでも、「虹を何色で描くか」という話題は、時代ごとに思想や科学からの影響を受けて変化していることが興味深かったし、自画像の中の画家のパレットというだけでもひとつのテーマになり、いろいろな発見があるものだ、とおもしろかった。
口絵は可能な限りカラーでいれられているが、やはり新書という性格上、モノクロの図版も多くサイズも小さいのが惜しい。絵の隅々まで読みとるような解説を読みながら、できるだけ大きな絵で自分の目で確かめられたらなぁ、という欲求不満が常にあった。でも、一見あまり興味を持てない絵でも、人物や背景など解説を読むにつれてとてもおもしろくみられるようになるもので、その意味では楽しい一冊だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2013年9月19日
読了日 : 2013年9月19日
本棚登録日 : 2012年12月7日

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