ジュリエット (角川ホラー文庫)

著者 :
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感想 : 11
3

震災で妻を無くした小泉健次は娘と息子を連れ、南の島に訪れた。建設が頓挫したゴルフ場の管理をする為に訪れたその地は無き妻との思い出の場所でもあった。
息子にせがまれて取った水字貝の中味を抜き、貝殻にしようと浜に出た健次は、そこで老人から魂抜けの話を聞く。貝から中味が落ちるところを見ると暗い思い出を思い出し、その思い出に食い殺されるから決して見るなと――
だが、3人は偶然にもその瞬間を目撃してしまった。



前半部分は陰気な感じが物凄くします。健次と娘のルカが自虐的なので暗いというか重いですね。
3人がそれぞれに抱える負の部分を出して行くので重苦しい感じで読みづらいというのが本音。でもこの暗さが無いと後半が生きて来ないのも良く判る。暗ければ暗いほどいい感じになるという具合ですね。
“出て”来ますが、それが見えるのは本人だけでは無く、プラスαもあり、また何故出てくるのかという理由は面白いです。こういう設定があったのか!という感じでとっても新鮮でした。

何故こんなタイトルなんだろう、とずっと思いながら読んでましたが、読んでみて納得。直接的では無いけれどこのタイトルは良いです。いい感じにリンクしてます。
個人的にエピローグは蛇足かなと思ったり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2004年
感想投稿日 : 2004年8月29日
読了日 : 2004年8月29日
本棚登録日 : 2004年8月29日

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