いわさきちひろ (講談社+α文庫)

  • 講談社 (1999年4月20日発売)
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感想 : 4

たいへん興味深く、一気に読みました。

ちひろさんの本は、今までほぼ、ご家族か、
美術関係者のかたが書かれてきましたが、
この本でははじめて、歴史家として、
劇作家でもある飯沢匡さんが、
ちひろさんの生涯を、できるだけ公平な視点で、
余す所なく書こうと試みられています。

ちひろさんの「女ごころ」については、
男性側の視点では…?と思う部分も少々ありましたが、
黒柳徹子さんのインタビューが全編にわたって
入ることで、全体的にやわらかく、血の通った
本に仕上がっていました。

子どもの頃からあんなに身近だったちひろさんの絵は、
実際、大人になってから見ると本当に、
誰にも真似できない偉業です。

だから、好むと好まざるとに関わらず、
ちひろさんの人生は、これからも歴史家や
第三者の目で、描かれていくのだろうなぁ…と。
ちひろさんは天国で、この思いがけない事態に、
ちょっと困った顔で笑っているかもしれませんね(笑)

それから、戦時中、軍部の援助で半年間、
大陸にわたってお嬢様のように暮らしていたという
エピソードですが、
その後のちひろさんの絵の素晴らしさを
損なうものでは、決してないと思います。

それは、絵本「戦火の中の子どもたち」を見れば、
如実にわかることで、
あれほど心の琴線にふれる絵を書けるのは、
あふれるほどの愛を持ち、たくさんの涙を
知っていた人だったからだと思います。

最後はひとりの女性として、
母として、体をはって家庭を支え、
素晴らしい絵をたくさん残していってくれた
ちひろさんの生涯、
素晴らしい人生だったと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 生き方の根っこになる本
感想投稿日 : 2012年9月26日
読了日 : 2012年9月26日
本棚登録日 : 2012年8月24日

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