旅涯ての地〈上〉 (角川文庫)

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13世紀、イタリア。元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷したとき、一行の中に宋人(チャイナ)と倭人(ジパング)の血を引く奴隷がいた。名は夏桂(カケイ)。彼が手に入れた一枚のイコン(神を描いた板絵)が、やがてカタリ派と呼ばれる異端信仰の村に大きな波紋を投げかけ、一つの村が、揺るぎないはずの信仰が音を立てて崩壊していくのだった……。

「傑作」の一言です。
綿密な心理描写はもちろんのこと、坂東さん独特の「空気を描く」手法が存分に発揮された作品です。
読むうちに13世紀のイタリアにタイムスリップしてしまったかのような錯覚に何度も襲われました。

信仰とは何か。
生き抜くとはどういうことか。
何度もハッとするような言葉に出会えます。

ちなみに私の中では、主人公の夏桂=ジェット・リーでした。
あの寂しげで、いつも何か物言いたそうな雰囲気が…

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2008年9月14日
本棚登録日 : 2008年9月14日

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