この闇と光 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2014年11月25日発売)
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本棚登録 : 357
感想 : 39
4

Kindle Unlimited版読了。

Kindle Unlimited対象作品になっていたので、話題の作品を読んでみる事にしました。

物語を読み始めていくと、どうやら主人公は「盲目の少女」で、身近な人間は「元国王の優しい父親」と「意地悪な世話係の女性」と「別荘を守る兵士」しかいない狭い世界で生きている事が分かります。
「別荘」の外の世界を何も知らない「盲目の少女」の存在自体が謎だらけです。


※【ここから作品のネタバレ感想になるので、未読の方はご注意下さい】


耽美な世界観の前半と真相が分かってからの後半の格差が、夢と現実の差のように激しかったです。
物語の舞台は外国ではなく日本で、主人公は実は9年前に誘拐された「少年」だったという種明かしにはそれ程驚きはしませんでしたが、少女の周囲にいた「父親」も「意地悪な世話係の女性」も「見張りの兵士」も同一人物が演じていたという事が一番衝撃的でした。
少年を誘拐した犯人も何処か心が歪んでいて、二重人格者のように「意地悪な世話係の女性」が表面に現れていたのかもしれません。
全ての謎が解けてからまた読み返すと、違う印象を抱くかもしれません。

主人公が「生理」になった時の「父親」の対処方法(下着を取り替えて終わり)に疑問を感じて、主人公の性別を疑いました。(^_^;)

ラストが「え、これで終わり?」という終わり方だったので、少し物足りなく感じました。
結局、犯人は捕まらないという事でしょうか。

タイトルは「人間の内なる闇と光」を表しているようです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル
感想投稿日 : 2018年10月3日
読了日 : 2018年10月3日
本棚登録日 : 2018年9月19日

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