以前、弟がお笑いなどについて「○○はまったく面白くない」と言うたびに気になり、そういう独善的な言い方はどうかと言ったことがあった。
わたし自身面白いと思っているわけでもないのに不快に感じていた。
松浦氏はそのことをわかっているのだろう。
これ(↓)は、そうした不快な感情を誰かが持つことを回避するためのコミュニケーション術だと思った。
-----
p119~
みんなが同じ意見を言うなど不自然だと感じる人が多い中、僕が提案する「反論しない」という姿勢は、あまりにも人におもねる態度に見えるかもしれません。
誤解なきように書いておきますが、僕は独自の意見を持つことは大切だと思っていますし、みんなと同じ意見である必要はまったくないと考えています。
ただし、コミュニケーションとなると話は別です。自分の意見は意見として持っていますが、人付き合いのセオリーとして「みんながいいと言っていることに反対をしない」と決めています。
人の話を聞いていて、「それは違うんじゃないかな」と思うことがあっても、声に出さない。みんなに人気のものが自分にはさっぱり理解できなくても、物申すことはしない。単純に、自分だけの基準で反論したり斬りつけたりしないということです。
なぜなら、みんながいいと言っていることには、それなりの理由があります。なんらかの正しさが存在しています。それが自分の感覚と違うだけの話です。
ものでも事柄でもビジネスツールでも、みんなが惹かれるという「良さ」がまったくわからないとき、僕は「わからない理由は、自分の知識不足、理解不足、情報不足にある」と思います。だから黙って考えてみる。体験してみる。じっくりと勉強することもあります。
そのうえでやはり「僕は違うな」という結論に達しても、「やっぱり良くないよ」と意見を表明したりはせず、黙っていようと決めています。
- 感想投稿日 : 2013年4月15日
- 本棚登録日 : 2013年4月10日
みんなの感想をみる