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わたしのいるところ (新潮クレスト・ブックス)
- ジュンパ・ラヒリ
- 新潮社 / 2019年8月23日発売
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もしかして父親として、主人公を実の娘のように読んでいたのかもしれない… 世の中への適応は簡単なことではないけれど、最後は温かい気持ちで一杯に。また素敵な本を入手してしまった。
生まれ育った町で暮らす40代のわたしの孤独…
2025年4月13日
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赤と青とエスキース (PHP文芸文庫)
- 青山美智子
- PHP研究所 / 2024年9月10日発売
- 本 / 本
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この奇跡感、読書アカウントによく流れてくるだけあって心地良く感動。絵に閉じ込められた物語に加えて額装にも興味を持ってしまったし。
絵を見に出かけたくなった。ナラティブな青も見つけに。
2025年4月5日
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ノーラ・ウェブスター (新潮クレスト・ブックス)
- コルム・トビーン
- 新潮社 / 2017年11月30日発売
- 本 / 本
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孤独というのが自分で導いた結果なのか周囲の無関心に馴染んだのか、それともそれ以外かわからないけれど、ノーラへの共感は物語の読後感を素敵なものにしてくれた。良かった…
2025年3月20日
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サリン それぞれの証 (角川文庫)
- 木村晋介
- KADOKAWA / 2025年2月25日発売
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通勤時の本として入手したため地下鉄の中で読むことが多かったのだが、被害者や救護者の方々の声、当時のテロの卑劣さを一層生々しく感じたように思う。
悔やまれるのは警察組織とマスコミの対応。当時の教訓は今に生きているのだろうか。そう願いたい。
2025年3月15日
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乙霧村の七人 新装改訂版 (角川文庫)
- 伊岡瞬
- KADOKAWA / 2025年1月24日発売
- 本 / 本
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6人もの命が失われた乙霧村の惨劇を辿る大学生のサークルメンバー、逃げ場のない廃村で雨夜の暗闇の中、彼らは…
手に汗握る中盤、真相が明かされる終盤、う〜ん、週末の一気読みでした!
2025年3月10日
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パニック・裸の王様 (新潮文庫)
- 開高健
- 新潮社 / 1987年1月1日発売
- 本 / 本
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逃げることの出来ない孤独な仕組みの中に、全く想像の及ばない構造の中に、囚われてしまっていると気づいた時の怖さ…
4作品どれも少し気分が悪くなるような怖さに読むのを止められず。
2025年3月8日
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あの日の交換日記 (中公文庫)
- 辻堂ゆめ
- 中央公論新社 / 2024年3月19日発売
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日差しの暖かな週末の朝に一気読み。
行きつけ書店の平置きにて見つけた完全タイトル買い。いま交換日記ってと思いながらも文字に心の整理を縋ることの多い身としてはとても気になりそして結果一気読み。
なんて穏やかで素敵な連休中日の朝だろう、温かい…
2025年2月23日
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別れを告げない (エクス・リブリス)
- ハン・ガン
- 白水社 / 2024年4月2日発売
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ふーっ、ちょっと言葉にすることが出来ない…
深い暗闇の中ふわりと舞う雪片が脳裏から離れず、もしくは暗い無音の海に沈んでいく様子が思い浮かべられ、もう声をあげてしまいそうになる…
思わず掴まるところを探して椅子に座れていたことを思い出してる。
2025年2月16日
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雪の花 (新潮文庫)
- 吉村昭
- 新潮社 / 1988年4月28日発売
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一気読み。私財を投げ打ってでも公に尽くす人もいれば嫉妬に狂う人もいれば。いつの時代にも同じかと… 熱くなってしまった。
頻発する天然痘の猛威に漢方で立ち向かうしかなかった鎖国江戸時代の福井にて立ち上がる町医の笠原良策…
2025年2月11日
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こうやって頭のなかを言語化する。
- 荒木俊哉
- PHP研究所 / 2024年11月28日発売
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あまり自己啓発関連の本の読了メモはあげないのですが、さっと読めて幾つもの気づきが得られたので!
2025年2月9日
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凍原 (講談社文庫)
- 桜木紫乃
- 講談社 / 2024年5月15日発売
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共存の上で成り立つ日々の生活も、色々な形の孤独の組み合わせの上に、時にしっかりと、時に覚束なく、それは湿原のように浮いているものなのかも知れない。
釧路湿原で発見された他殺体。1945年の樺太、1992年の男児失踪…
2025年2月2日
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起終点駅 (講談社文庫)
- 桜木紫乃
- 講談社 / 2024年7月12日発売
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町田そのこさんの解説、孤独だからこそ無数の縁を繋ぎ、その中で自分という人間を確立して生きねば、という言葉に深く頷く。
表題作中の完治の、「俺はとうに泳ぎ疲れてる、早く迎えにきてくれ」というつぶやきに涙したのだが…
北の大地に生きる人々の孤独。
2025年1月26日
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異邦人 (新潮文庫)
- アルベール・カミュ
- 新潮社 / 1954年10月2日発売
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「私は自分が世間のひとと同じだということ、絶対に世間の尋常なひとたちと同じだということを、彼に強調したいと願った。」
ほぼ一気読みさせられたが何か気分が晴れるものではなく、ムルソーのこの思いに、やるせなさを感じてしまう…
2025年1月20日
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マリアが語り遺したこと (新潮クレスト・ブックス)
- コルム・トビーン
- 新潮社 / 2014年11月27日発売
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ゴルゴタの丘の出来事、死刑に処される息子。ひとりの母として、マリアが静かに語る物語。
ふと自分の子供たちが膝に登ってきていた頃の彼らの温かみを思い出しながら読んでしまった…
2025年1月13日
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モナ・リザのニスを剥ぐ (新潮クレスト・ブックス)
- ポール・サン・ブリス
- 新潮社 / 2024年12月18日発売
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流れゆく時間の痕跡を歴史的事実としてとらえ、そのまま古色の形を保存するのか、作品理解を損ねる酸化変色したニスを剝ぎ作品の美的側面を優先するのか…
スリリングな対比と、後書きを読んだあとで見る表紙の微笑みに鳥肌!素敵な年始1冊目。
2025年1月5日
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同志少女よ、敵を撃て (ハヤカワ文庫JA)
- 逢坂冬馬
- 早川書房 / 2024年12月11日発売
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本当に面白かった。
正直、日々目にする今のウクライナを想うと読みながら複雑な気持ちもあったが、巻末の言葉に全くもって共感。
「戦争と殺戮が世を覆うとき、文化がしてはならないことは〜描くことを拒絶すること」
終わりが、エピローグが心に残る。
2024年12月29日
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菜食主義者 (新しい韓国の文学シリーズ)
- ハン・ガン
- クオン / 2011年5月25日発売
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描かれる人間と生に圧倒的に引き込まれた読書体験。強烈な読後感…
生きるということは不思議なことだと(P269)
ハン・ガンさんのとらえる世界観に縋るように次々作品を手にしてしまう。
最後、著者のあとがきで穏やかな現実を感じたものの、衝撃だった。
2024年12月22日
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地面師たち (集英社文庫)
- 新庄耕
- 集英社 / 2022年1月20日発売
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解説にもあった実際の詐欺事件に対する興味もあり手に。
犯罪者視点の小説は少し苦手かなと思いつつも、丁寧に積み上がる計画とスリルある展開に結局ほぼほぼ一気読み!
2024年12月14日
ついてくるもの、形のない異形のもの。
12年前に失踪した夫、近頃むっつりとすることの多くなった中学の娘。
いるのにいない、いないのにいるという曖昧な距離感、地に足のつかない不安、真鶴に何があるのか、もう圧倒的に川上弘美さん… 後半一気読みでした…
2024年12月7日
身の回りに広がる科学の世界と、そして綺麗なイラストが見開き1ページに綴じられたシリーズ。
古河郁さん、さわさんのイラストが特に好きですね…
癒しを得たのは、嘘や偽りのない美しい科学の世界と、アートに向き合う絵師さんたちの純真な印象から…
2024年11月24日
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傷ついた世界の歩き方 イラン縦断記 (エクス・リブリス)
- フランソワ・アンリ・デゼラブル
- 白水社 / 2024年9月28日発売
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連行された警察に暴行され死亡した22歳アミニの容疑はヘジャブの不適切な着用。街頭での女性の髪露出は鞭打ち刑。女性 命 自由という反体制スローガンの悲痛な叫びが苦しい。
憧れのブーヴィエの旅行記を辿りフランス人作家はイランを縦断するのだが…
2024年11月19日
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回復する人間 (エクス・リブリス)
- ハン・ガン
- 白水社 / 2019年5月28日発売
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言語化できないけれど、自分の中に時々顔を出すまったりとした澱み。年月を重ね知らない小さな傷たちがきっかけなのか、瘡蓋を見つけて怪我していたことに気がついたような。痛くはない気がするけど重たい澱み。
回復について静かに考える…
ハン・ガンさん衝撃。
2024年11月16日
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すべての、白いものたちの (河出文庫)
- ハン・ガン
- 河出書房新社 / 2023年2月7日発売
- 本 / 本
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2章 "彼女" を見る世界、ほんの数行に綴じられたようなと言うべきか刹那な物語の切り抜きが心に残る。
白い石、白熱灯、静けさに、白い蝶。幾千もの銀色の点が。私に降りかかるみぞれが良い… 衝撃。
斎藤真理子さんの日本語が美しいのもあるのだろうか… ほかの作品も手にしたい感がおさまらない…
2024年11月6日
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アナベル・リイ (角川ホラー文庫)
- 小池真理子
- KADOKAWA / 2024年10月25日発売
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11月とは言ってもまだ東京は20℃前後あるはずなのに、何度もゾワゾワした寒気に襲われ… 本当に上手に上手に、日本的なホラーの冷んやりの真ん中で粟立たされた…
小池真理子さん最高。このノリで大好きな「異形のものたち」を再読しようか。
2024年11月5日