フェルメール画「真珠の耳飾りの少女」を元にして描かれた中編小説。画そのままの静謐で透明な雰囲気の中に、きらりと光る真珠が添えられている。この物語を読んだあとに、画を観ると、あぁ、そんなストーリーがbehindにあったんだなぁと納得してしまう(完全フィクションだけど)。
物語は、奥ゆかしく聡明な少女Grietが、住み込み召使いとしてフェルメール家に奉公に出されるところから始まる。5人の子供たちに囲まれた邸宅で、心細い思いをしながら懸命に働くGrietだが、物静かで穏やかなMaster(主人=フェルメール)のことが気になって仕方ない。Grietに課せられた重要な仕事の1つは、フェルメールのアトリエの掃除。描きかけの絵のシーンを乱さぬように細心の注意を払って掃除するGrietに、フェルメールは自分の絵の具の準備をする仕事もまかせるようになる。一方、Grietが使いにいく肉屋の息子はGrietに気があるようで、二人の間の関係も徐々に微妙なものになっていく。そんな時、フェルメールは、Grietをモデルに絵を描くことになる。密かに慕うMasterと二人きりになる瞬間、彼の目が、自分の目を捉えて離さない時間、それはGrietにとって至福の時であったが、フェルメールの妻や子は、そんな二人の間に流れる空気に気づいており…。
英語はとてもシンプルで、非常に読みやすいです。一枚の絵からこんなストーリーを作ってしまう著者のイマジネーションに脱帽。ちなみに、フェルメールの他の絵のストーリーなんかも時々でてきて、「あぁ、この絵にはこういう背景があったのか」と思うと、画を観る視点がかわって、面白いですね。映画化されているので、映画もぜひ見てみたい!
An exquisite story with extraordinal tranquility, just like the painting of Vermeer. After the quietness, you will see the light reflected in the pearl.
- 感想投稿日 : 2013年10月20日
- 読了日 : 2013年10月9日
- 本棚登録日 : 2013年10月9日
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