スピリチュアルの冒険 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2007年7月19日発売)
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感想 : 8

スピリチュアリティ(霊性)とはラテン語のスピリトゥスを語源としていて、息、霊感(インスピレーション)という意味がある、と述べられ、その意義を『創世記』のアダムによって説明されています。アダムは主なる神によって、息を吹き込まれ、生きる者となります。アダムの側からみると、神からの息を吸い込むことで、器でしかない肉体と霊魂が結び付き、生きる力を得たのです。
 また、人間の肉の愛(エロース)に対して、スピリチュアルなものとしての神の愛(アガペー)の優位を説く説がありますが、それを北村透谷は「想世界」と呼び、「恋愛」もそこにおいてとらえようとする、と言っています。もちろん、恋愛は「肉の愛」を前提としますが、それだけにとどまらないのです。「恋愛」の体験のなかで、「恋愛」という息を吹き込まれることで、「人は自分の心(内部)の固くとざされていた扉が開いていくのを知る」ことを経験する、と言います。スピリチュアルに触れることで、命がひらかれる、とでも言えばいいのでしょうか。
 しかし、私たちは偶像に霊性を託してしまい(貨幣、軍事力が例として挙げられています)、それにひざまずくことで、外部のものと接してしまい、霊性を直接感じ取ることができなくなっているのです。カルトなどに囚われるのも、スピリチュアルを吸い込むのではなく、それを礼拝するべき偶像としているように思われます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宗教
感想投稿日 : 2022年9月17日
読了日 : 2022年9月15日
本棚登録日 : 2022年9月15日

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