舟を編む (光文社文庫)

4.16
  • (903)
  • (954)
  • (392)
  • (57)
  • (11)
本棚登録 : 8120
レビュー : 787
著者 :
三略さん 日本文芸・エッセー   読み終わった 

ブクログを始めてから、言葉についてたびたび立ち止まって考えるようになった。発想豊かなブク友さんが書く書評に触発されるからだ。上手い文章つながる本や語彙が増えそうな本に目が留まれば手にとっているのだが、本作もその一貫で選んで読んでみた。

内容は、これといった取り柄のない主人公と辞書編集部の面々がそれぞれの立場から辞書を完成させていく物語。堅い内容を想像していたら意に反して、のっけから言葉遊びが始まりスラスラと読めてしまう。「犬。そこにいるのに、いぬ。はは、おかしい。」という調子だ。

本作の良さは、辞書つくりに前向きな登場人物ばかりでない点だと思う。一般に辞書は生活をサポートしてくれるもので、小説や雑誌のように生活の中心にはなり得ない。そんな読書が抱くであろう距離感を前向きでない人物を登場させることによって上手く表現している。そんな構図が辞書に興味のない読者からも、きっと支持されているのだと思う。

意識したことはなかったが、辞書のような身近にあるものに人の努力が込められている。この小説を読まなかったら、何も考えず時間が過ぎていったのかもしれない。

レビュー投稿日
2018年4月27日
読了日
2018年4月26日
本棚登録日
2018年2月2日
12
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『舟を編む (光文社文庫)』のレビューをもっとみる

『舟を編む (光文社文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

『舟を編む (光文社文庫)』に三略さんがつけたタグ

いいね!してくれた人

ツイートする