白河夜船 (新潮文庫)

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本棚登録 : 3326
レビュー : 303
著者 :
sallyme12さん フィクション小説   読み終わった 

心の底に眠る真っ暗な感情もちゃんと息をしていたのだ、とこの本は教えてくれる。大切な人を突然失う体験、たとえば友人を亡くした喪失感はきっと、同じ体験をした者でなくてはわからない。気がつくと、夜の闇に引っ張られそうになっている自分を見つける。哀しみと向き合うというのはきっと、そういうことの繰り返しだ。

すべてを理解し合うことなんて、どんな人間同士でも無理だろうけれど、それでも私たちは同じ感情を共有しようとする。楽しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったこと。ぜんぶ分かり合えることよりも、ひとつでも何かわかり合えたことを喜びに感じる。人間はそういう非効率でまっすぐでどこまでも温かみのある生き物だ。よしもとばななの本は、そういう人生の余韻を私たちの心の中にいつも残していく。

レビュー投稿日
2018年11月5日
読了日
2018年11月4日
本棚登録日
2018年11月4日
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