夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

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レビュー : 2059
著者 :
沙羅さん 図書館で借りたもの   読み終わった 

オチは読めたけれど、この文章を10代で書ける乙一さんってどんだけすごいんだ(苦笑)
夏の風景と、死体の「私」にまつわるとくに「兄妹」の心理描写が絶妙で、とくに「兄」の性格(というよりセリフや、態度)には空恐ろしいものを感じた。
お前いくつだよっていう……(苦笑)
さらに「語り手」である「私」の口調が「生きている」頃から淡々としていて、なんというか人間らしくないというか(まぁ死体なんだけど)そこが一番ある意味恐かったかも。
主人公が殺されている時点でハッピーエンドなど有り得ないのだけどこの結末は……むしろ妹のその後が気になるところ。たぶん兄はこうなるので、妹は復讐にでも走るのだろうか。それとも……?
登場人物としては「妹」が人間臭くて好きだった。お兄さんへの切ない(……?)憧れと好意。ままならない自分の立場への憤り。

ただ物語りが終わったあとはたぶん生きながら一番不運と不幸と絶望に恵まれる子になるだろうなとは最後に思った。そして恐らく「死体」の主人公はそんな「妹」を淡々と描写していくに違いない……そっちのほうが恐い。

レビュー投稿日
2013年7月3日
読了日
2013年7月3日
本棚登録日
2013年7月3日
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