聊斎志異 (上) (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1997年1月16日発売)
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本棚登録 : 512
感想 : 45
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今ある中華ファンタジーやラノベのエッセンスはもとをたどればここにある。と言ってしまいそうになるほどエンターテイメントな世界。まず美女が多いんですよね。それが死人だったり狐で押しかけ女房でハーレムルート上等ですからね。友人は死んだらあの世のいい役職についてたり。カッコいい義侠の士がどっからともなく現れてなんか退治して「これっきりだ」みたいなこと言って立ち去ったりね。でも怖い話は本当に怖い。「噴水」は何度読んでもゾゾゾとくる。これが私が口で説明してもお笑いになってしまう。訳はさっぱりしつつ面白がらせるのがうまくて味がある。たまに血生臭いけど聊斎志異の世界は異界の住人たちとなんとも和やかに近づけることが多い。そこが桃源郷を生んだお国柄かしらと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2009年12月10日
読了日 : 2009年12月10日
本棚登録日 : 2009年12月10日

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